
写真・参考プロトコール提供:日本医科大学付属病院再生医療科
|
<治療前日からの準備>
マゴットの成長を妨げる可能性があるため、患部の軟膏や酸性水の使用を中止しておく。
|
<治療1日目>
表1.治療当日必要物品 |
| 物品 |
必要度 |
使用目的 |
| マゴット(医療用無菌ウジ) |
◎ |
創傷面積1平方センチメートルあたり5〜10匹
(バイオセラピーメディカルより発送) |
特製ストッキング
(メッシュカバー) |
○ |
患部よりマゴットの脱走を防ぐ。市販のストッキングでも代用できるが、逃げ出す可能性がある。
(バイオセラピーメディカルより発送) |
| ガーゼ(大) |
◎ |
患部の被覆などに使用。 |
| ガーゼ(小片) |
○ |
バイアル内のマゴットを受け、患部に移動させる際に使用。 |
| 生理食塩水(20ml) |
◎ |
バイアル内のマゴットを洗い出すために使用。 |
| テープ(紙製など) |
◎ |
ガーゼを固定するために使用。 |
| 包帯 |
◎ |
ガーゼを固定するために使用 |
テープ
(伸縮性粘着テープなど) |
◎ |
特製ストッキングを下肢に密着固定するために使用。日本医科大学付属病院ではデュオアクティブ CGF20×30cm 使用。エラスティックテープなどでも代用可。 |
| ビニール袋(足が入る大きさ) |
○ |
治療期間中にガーゼより滲み出す浸出液によるベッドや病室床の汚染を防ぐ。 |
| ピンセット(外科セッシ) |
◎ |
ガーゼの取り扱い。マゴットは小さいので直接はさむことはできない。 |
| 細めの滅菌綿棒 |
△ |
バイアル内に残存するマゴットを外に出す時に使用。
(バイオセラピーメディカルより発送) |
| ゴミ袋 |
◎ |
マゴットの廃棄に使用。 |
◎必須 ○使用が望ましい △あれば便利
|
@ 治療の準備・製品の確認
- 必要物品を確認(表1参照)。容器内のマゴットが生きていることを確認。
|
 |
A マゴットの取り出し
- 容器からガーゼごとマゴット(体長2〜3mm)を取り出す。
- 蓋や容器についているマゴットは少量の生食を入れ、ガーゼ小片の上に洗い出す。
|
 |
B マゴットの貼付
- 創部にマゴットをガーゼごとのせる。マゴットの数を厳密に数える必要はない。(同様に治療終了時に除去したマゴットの数を数える必要はない。)
- 3〜5枚の大ガーゼで患部を覆い、紙テープで軽く固定する。更にその上に包帯を巻き、大ガーゼを固定する。
|
 |
C マゴット脱出の予防
- デュオアクティブを縦長に2等分に切る。
- デュオアクティブ2等分した1つを足首に巻きつける。
- 特製ストッキング(メッシュカバー)を足に被せ、デュオアクティブで固定する。(ストッキングの端を先に巻いたデュオアクティブともう一片のデュオアクティブで挟むようにする。)
※デュオアクティブがない場合はエラスティックテープなどの伸縮性粘着テープで代用できるが、患部よりの浸出液によりテープが容易にはがれてしまうことがあるので注意が必要。
|
 |
D浸出液による病室汚染防止
- ビニール袋を患部に被せる。
- デュオアクティブの貼付した位置でビニール袋をテープで足に固定する。マゴットの窒息を防止するため、ビニール袋の入り口は空気が通るように半分は開けておく。
|
 |
E 完成
- 余ったマゴットは容器・ガーゼなどマゴットが付着している可能性のあるものと一緒に、ゴミ袋に入れ口をしっかり閉じた後、医療廃棄物として処分する。(生きたマゴットをそのまま廃棄することに問題がある場合は、約1時間冷凍させてから廃棄する。)
※潟oイオセラピーメディカルのマゴット(ヒロズキンバエ2齢幼虫)は在来種を用いているため、仮に外部に逃げ出すことがあったとしても生態系に害を及ぼすことはない。
|
 |
<治療2〜3日目>
・ガーゼ汚染がひどければ外側のガーゼのみ交換してもよいが、汚染防止のビニール袋が被せてあれば特にその必要性はない。
・仮に患部のガーゼよりマゴットが逃げ出していたとしても、特製ストッキングの中に留まっている限り問題はない。 |
|
<治療終了日(3〜4日目)>
表2:治療終了日必要物品 |
| 物品 |
必要度 |
使用目的 |
| ビニールゴミ袋(大) |
◎ |
マゴット、ガーゼなど汚染物質の廃棄用 |
| 洗面器(大) |
○ |
ビニール袋の固定に使用 |
| 生理食塩水(100〜500ml) |
◎ |
患部の洗浄用 |
| ガーゼ(大) |
◎ |
患部の被覆用 |
| ピンセット(外科セッシ) |
◎ |
マゴットの除去、ガーゼの取り扱い用 |
ピンセット
(アドソン、眼科セッシ) |
△ |
マゴットの除去用 |
| 軟膏、クリーム |
○ |
マゴット除去後の創部塗布用(ゲーベンクリームなど) |
◎必須 ○使用が望ましい △あれば便利 |
@ ビニール袋の除去
- 洗面器にビニールゴミ袋をかけておく。
- 患部を覆うビニール袋を取り外す。
|
 |
A ストッキングの除去
ストッキングを取り外す。 |

|
B マゴットの除去
- ガーゼを取り外す。
- 組織の間隙、指の間に隠れているマゴットを除去する。
※マゴットは体長1cm近くまで成長しているので外科セッシで除去することが可能。未成熟で小さなマゴットは細めのピンセットを使い除去する。
|
 |
C 創部の洗浄
生理食塩水で創部をよく洗浄する。 |
 |
D 軟膏処置
軟膏・クリーム(ゲーベンクリームなど)を
塗布する。 |
 |
E 被覆
- ガーゼで被覆し、テープで固定。
- 包帯で固定する。(循環不全を起こさないように軽めに巻く。
|
 |
F 終了
- ・取り除いたマゴットはガーゼなどマゴットが付着している可能性のあるものと一緒にゴミ袋に入れ口をしっかり閉じた後、医療廃棄物として処分する。(生きたマゴットをそのまま廃棄することに問題がある場合は、約半日冷凍させてから廃棄する。)
※潟oイオセラピーメディカルのマゴット(ヒロズキンバエ2齢幼虫)は在来種を用いているため、仮に外部に逃げ出すことがあったとしても生態系に影響を及ぼすことはない。
|
 |
通常、マゴットを患部に置く期間は3〜4日間でこれを1クールとする。1クール終了後の患部の状態や施行中の副作用の有無により2クール目施行の判断をし、次のマゴットの発注をする。発注からマゴットの到着には少なくとも3日間かかるため、おおよそ1クール/週のスケジュールで治療を行っていくこととなる。
|
|
|
|
|